かおり温灸院

生姜灸とは

お灸になじみのない方にこそお勧めする、 心と身体に優しいお灸です。

生姜灸とは、厚く切った生姜の上にもぐさを置く、『隔物灸』という灸法の一つです。文字通り、肌ともぐさとを『隔てて』いるため、直接肌にすえるお灸と比べて熱さが穏やかです。
じっくりと中低温で時間をかけて身体の芯から温めるお灸方法です。これを『温灸』といいます。 当院では、生姜灸用の特性もぐさを用いて、熱くなく心地良い生姜灸を行っております。

生姜灸の治療方法

背中やお腹はもちろん、頭から足の裏まで、患者さまの身体の状態に合わせて全身のツボ70~90か所にもぐさを乗せた生姜を置いていきます。 治療時間は45-60分程度です。(全身治療の場合)
もぐさに火がついていますので、お灸を置いている15分間程は体を動かせませんが、できるだけ楽な体勢で横になって頂けます。
生姜の上でもぐさを燃え始めると、生姜に含まれる水分と成分が温かい蒸気となってツボに浸透し、ジワーっと徐々に身体を温めていきます。

穏やかな温度で火傷しない

お風呂より少し熱い程度の穏やかな温度で、火傷になりません。女性の方でも安心して治療を受けて頂けます。
お灸は人肌程度の温かさから徐々に温度が上がっていきます。(最高45~47度程度)
熱さを我慢する必要はありません。もし途中で熱く感じた場合は、遠慮なくお伝えください。だんだん温度が上がって来たら、生姜ごとお灸を移動させます。
初回の方は、体調や肌の状態を見て、熱くないか確認しながら、特に慎重に温度を調節しています。
燃えているもぐさが直接肌に触れることはありません。
熱さを我慢すると極くまれに軽い火傷となりますが保護治療で治ります。
しかし、このようなことにならないよう細心の注意をもって治療に当たっています。

眠りを誘う心地良さ

じんわり温かいお灸なので、施術中に気持ち良くて眠ってしまう方がほとんどです。もぐさの香りも気分をリラックスさせます。
熱を持った生姜の下面から出る蒸気と熱が、生姜の成分とともに皮膚の奥にじんわりと浸み込んでいきます。徐々に熱が上がり徐々に下がる、この緩やかな温度勾配が効果がありながら快適な治療の源です。

効果と副作用

生姜の薬効とお灸の効果が組み合わさって、血液循環を改善します。
生姜は漢方薬の生薬として、また料理やしょうが湯でも薬効が知られ、灸法の材料としても心理的にも良い結果が得られています。
お灸は血行が促進され、もぐさに含まれるヨモギ成分の浸透作用で白血球が増加し、血液をアルカリ性に傾ける作用があることが医学的に確認されています。

副作用がほとんどなく、心と体に優しいのもお灸の強みです。 生姜灸はツボに熱刺激を与えて、自律神経の働きを促し、全身の血液循環を改善して自然治癒力を高めることを目標とします。 東洋医学ではこれを『気血栄衛』といいます。 さらに、患部を直接的に温めることによって、血流を増大させ、機能回復を図ります。

温める作用では、特に、不妊や生理不順等の方は身体が冷えている場合がほとんどですので、骨盤やお腹を中心に徹底的に温めていきます。血流が改善することにより、生殖機能を高めることを目指します。 また、自然治癒力が高まって身体の機能が回復すると、増えた血液の流入により、痛む箇所は自分で治します。自律神経が整えば不足しているホルモンは自分で分泌するようになります。ヨモギに含まれる精油が心を鎮静させ、心もリラックスさせます。

生姜灸の材料は生姜ともぐさ(ヨモギを乾燥させたもの)のみです。 生姜灸はこのように植物の力を借りて、心身の回復を図り、その継続をはかる治療です。